冬に訪れる鳥たち(1)


冬に日本に渡ってくる鳥を冬鳥といいます。西宮での冬鳥の代表はカモ類で、海や川、池など水辺にやってきます。

 西宮で見られる、あるいは見られたカモたちをご紹介します。

これらの他にトモエガモやビロードキンクロが最近飛来し、記録されていますが手元に写真がなく、ご紹介できないのが残念です。毎年確実に、しかも大挙飛来するものもあれば、10年に1度程度のものも珍しくありません。それでも海や川、池などがあるからこそやってこられるのです。そうした環境を破壊したり、汚したりせずに保全することが大切です。


オナガガモ

ヒドリガモ

ハシビロガモ


オナガガモ(甲子園浜)
オナガガモ(甲子園浜)
ヒドリガモ 甲子園浜にて
ヒドリガモ 甲子園浜にて
ハシビロガモ 伊丹市昆陽池にて
ハシビロガモ 伊丹市昆陽池にて

 たくさん飛来します。頭部の茶褐色、首から胸にかけての白色が目に付き、名前のとおり尾がとても長いのが特徴です。カモ類の多くは、オスの方が派手で美しい姿をしています。

 一番たくさん飛来するカモです。頭部は赤褐色ですが、額から後頭部にかけて頭部の中央がうすい黄色になっているのが特徴です。メスはやはり地味ですが、オスに近いところによくいます。オスを見つけると他のメスと区別することができるでしょう。

 雌雄ともに名前のとおり“くちばし”幅が広いのが特徴です。その幅広いくちばしを水面に這わして、漂うプランクトンや植物の種子などを餌にします。カラフルな個体がオス、地味な方がメスです。



キンクロハジロ

スズガモ

ホオジロガモ


キンクロハジロ 伊丹市昆陽池にて
キンクロハジロ 伊丹市昆陽池にて
スズガモ 甲子園浜にて
スズガモ 甲子園浜にて
ホオジロガモ 甲子園浜にて
ホオジロガモ 甲子園浜にて

 スズガモとの違いは、背中も真っ黒なことと、後頭部に冠羽(飾羽)があることです。メスにも短い冠羽がありますが目立たず、全身の色はスズガモそっくりです。また通常、くちばしの付け根の白い斑点はないが、あってもスズガモのそれよりは小さい。甲子園浜には飛来する数は多くない。

 キンクロハジロととてもよく似ています。区別は、背中部分の色でします。薄い黒色(灰色)であれば、スズガモです。メスは黒褐色で、オスの腹部が白色に対して、少し汚れたようなうすく黒褐色になっています。またくちばしの付け根に白い大きめの斑点があります。

 オスには、頬に名前の由来である大き目の白い斑紋があるのが特徴です。頭も少し大きく、三角おにぎりを思わせる形をしています。メスは白斑はなく、頭部が濃い茶褐色、腹部は淡い茶褐色、嘴の先端は黄色と、別種かと見間違えるほどです。北日本に多いカモですが、甲子園浜には数羽が毎冬やってきます。



コガモ

マガモ

カルガモ



 カモの中では最も小柄で、他の種類の多くが全長50cm以上あるのに対して40cmほどです。漢字で書くと「小鴨」で、「子鴨」ではありません。オスは色模様が美しく、茶色の頭と目を囲むように伸びる緑色の帯は印象的です。秋早くにやってきて、春遅くまでいます。 

漢字では真鴨です。名前はよく聞きます。しかし、西宮市内に飛来する数はそれほど多くありません。結構おく病者で、人にはあまり近づきません。頭部が緑色な方がオス、からだが黄褐色で黒褐色の斑点模様のある方がメス。アヒルは、マガモを品種改良したものです。マガモに見えても、人馴れしているようならアヒルかもしれません。それほどにマガモにそっくりなアヒルがいます。

渡り鳥ではなく、1年中日本に(したがって西宮にも)いる留鳥です。雌雄が同じ色模様で、見た目での区別は困難です。嘴の先端が黄色いのが特徴です。漢字では、夏でも居ることから「夏留鴨」とする説、万葉集に「軽の池」にいるカモを詠んだ夏の歌があり、夏にいるのはこのカモなので、「軽鴨」と表す説などがあります。全長は60cmほどあり、体重が軽いわけではありません。