甲山湿原の植物


 甲山湿原は兵庫県の天然記念物に指定されています。湿原は自然保護地区に指定され立ち入ることはできませんが、観察用に甲山湿原観察園がつくられていて、間近に見ることができます。観察湿原では見られない植物もありますが、甲山湿原で撮影したものです。



<ムラサキミミカキグサ>

 花には2~3mmの柄がある。兵庫県のRDB-Cランク。貧栄養の湿地に見られる食虫植物の仲間。地下茎に捕虫嚢をつけます。果実の形が耳かきに似ていることから名付けられました。

 <ミミカキグサ>

花の色が黄色なので、咲いているとわかりやすい。 

<ホザキノミミカキグサ>

花の柄は短く茎についているように見える。花の距は前方に突き出る。

<サワヒヨドリ>

日当たりの良い湿地に生える。花は紅紫色を帯びる。フジバカマに似る。香りもよく似ている。



<トウカイコモウセンゴケ>

葉の形がさじ状で、花が淡いピンクで、モウセンゴケと区別できる。日の当たる湿地で見られる。食虫植物で、葉の葉身部分に腺毛がある。

<サギソウ>

白鷺が羽を広げて舞っている姿に似ていることから名付けられた。甲山観察湿原で見られる。盗掘されたり、環境の変化などにより、自生しているのを見る機会はほとんどない。環境省準絶滅危惧種。兵庫県RDB-Bランク。

<サワギキョウ>

甲山観察湿原で見られる。50~100cmになる大型の植物。ほとんど見ることができなくなった植物の1つ。

<ヒナノカンザシ>

湿原の縁に見られる高さ10~25cmの小さな植物。注意しないと見過ごしてしまう。兵庫県RDB-Cランク。



 <ミズギボウシ>

幅2cmほどの細い葉で、花は3~5個をまばらにつける。湿地に見られる。

 <コガンピ>

池の土手などで見られる直立する80cmほどの低木。別名のイヌガンピは紙の原料にならないことから名付けられた。

<サワシロギク>

名のように湿地に生育し、普通に見られる。花の咲き始めは白色だが、咲き終わりには、淡い紅色になる。

<オミナエシ>

秋の七草の一つ。栽培されているのを見かけるが、自生の姿は少なくなってきている。



<キキョウ>

秋の七草のアサガオはキキョウが有力視されている。自然の中で見かける機会は少なくなった。

<ワレモコウ>

畦の斜面などに見られる。穂先に赤トンボが止まると秋の風情を感じる。穂の先から花が咲いていく。

<シラヤマギク>

林縁や草地に生育する。根生葉は翼のある長い柄があり、卵心形の大きな葉である。